
鈴木ひろみ木版画展・余白と空
青色とセピアが混じり合って綾なす風景を木版画で表現された作品たちをお楽しみ頂けます。 <作家より今回の個展に向けて> 余白と空(そら) 版を彫る時間は、心をなぞる時間。 版を彫り、刷る。 線と面を刻み、色を重ね、紙に触れた一瞬のうつろいが、やがてひとつの風景となり、そっと浮かびあがります。 木版画には、 にじみ、かすれ、余白… 意図しきれない美しさがあります。 それはまるで、心の「空(そら)」のように、優しく、ただそこにある存在。 余白は、空白ではなく、 想像の羽が広がる「空(そら)」のよう。 空はいつも、見上げるたびにかたちを変えます。 同じように、版画の一枚一枚も、見る人のまなざしによって揺らぎ、広がるものだと思います。 この展示で、描かれたものだけでなく、描かれなかったところにある「余白」と「空(そら)」を見つけていただけたら幸いです。